東芝の件で新日本監査法人が解散に追い込まれる可能性

東芝の数年に渡る粉飾決算が発覚して役員がほぼ一新された。

今回の件で、この会社の会計監査を担当している新日本監査法人は下手をすると解散に追い込まれる可能性もないとはいえない。

現在は公認会計士協会と金融庁が新日本監査法人の監査手続きについて問題がなかったかどうか調査に入っている段階なので結果はすぐにはわからないが、粉飾にどれだけ加担していたかの度合いによっては、解散もありえなくはないだろう。

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過去に粉飾決算に加担した監査法人

今回の東芝は社内的にはほぼ意図的に粉飾決算をしていたという見解が第三者委員会の調査結果から出ているが、その決算数値の妥当性をチェックする新日本監査法人に責任はないのか。

これだけ大企業の粉飾決算が明るみにでて連日報道されていたというケースはなかなか珍しい。

しかし、過去には同じく大企業であるカネボウが粉飾決算をして、その監査を担当していた当時の大手監査法人の一つである中央青山監査法人は解散に追い込まれた。

当時の日本の4大監査法人の一つで、いわゆる「Big4」の一角が解散してしまったのだから業界人としては驚愕だろう。

今回の東芝と新日本監査法人と、当時のカネボウと中央青山のケースと重ね合わせてしまう部分がある。

中央青山が解散に追い込まれた決定的な要因は「2ヶ月間の業務停止命令」だった。

「え?大手だし2ヶ月我慢すればまた盛り返せるんじゃ・・・」と当時は思っていたのだが、期間に関わらず監査法人というのは少しの期間でも業務停止命令を受けると致命的なのだ。

なぜかというと、監査法人の場合は業務停止命令を受けると自分の法人が抱えている監査クライアントを一旦手放さなきゃいけないことになっているのだ。

クライアントはその間、別の監査法人と監査契約を結ぶことになるのだ。

大手監査法人の場合、どこも大量の監査クライアントを抱えているのでそれを一斉に手放さなきゃいけないのである。

これがいかに売上として痛いことか想像がつくのではないか。

しかも、2ヶ月間経って業務停止が解けてまた監査契約をクライアントを結ぶことができるようになっても「すでに今までのクライアントは別の監査法人に鞍替え」してしまっているのだ。

それを、業務停止命令が解けたからといってまた自分のところに戻ってきてくれとお願いしても風評も落ちているし、すでに新たに契約した監査法人と上手くやっているのであればまた戻る理由はない。

そういう流れで、業務停止命令が解けた後の中央青山監査法人にはクライアントがほとんど戻ってこず解散せざるを得なくなったのだ。

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解散になる可能性は、ないとは言えない

解散したかつての大手である中央青山監査法人の例を出したが、新日本監査法人も東芝の件で金融庁から最悪「業務停止命令」が出た場合は同じことになるのは確実だろう。

しかし、今回の新日本の場合はその可能性は少ないと個人的に思っている。

まだ調査段階ではあるが、新日本の場合は東芝の匠な会計操作で粉飾自体を把握できなかったと言われている。

業務停止命令が下された中央青山の場合は、担当していた会計士4人が粉飾の事実を知っていながら積極的に加担していたとして逮捕されたのである。

さすがに新日本の場合はここまでしていた可能性は低いだろう。

ようは、「粉飾に加担していたかどうか」というのが新日本に今後課される処分の争点になるだろう。

ちなみに、「監査なのに粉飾を見抜けなかったことは問題じゃないか?」という声もあると思うがそれはちょっと違う。

あまりにもずさんな監査で見抜けなかったのなら問題はあるが、監査ルールに乗っ取って妥当と言える監査手続きをした結果見抜けなかったのならそれは監査法人の責任ではない。

監査法人は、あくまでも「監査」であって「捜査」ではないのだ。

ただ、金融庁の調査は現在進行中なので大どんでん返しが待っている可能性もあるがここはBig4の一角がまた崩れないことを期待したい。

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